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2010年度プログラム

これまでのイベント

【イベントレポート】MDAスタートアップカフェ 2010.11.20.Sat.

Medical Design Awardが「体験型コンテスト」である意義とは?

去る11月20日(土)、代官山ヒルサイドテラスにてMedical Design Award 2010(以下、MDA)のオープニングイベントスタートアップカフェが開催されました。
医療・介護とデザインという、日頃あまり接点のない業界の方たちが一堂に会する貴重な機会とあって、参加者は総勢約80名!記念すべきスタートにふさわしく天気も快晴、内容も非常に充実し、新鮮さと活気に満ちたイベントとなりました。

「デザインのチカラで健康・医療や介護環境をより良くする」をコンセプトとした本アワード。MDAの始まりは、株式会社メディシンクによるLMDP(Life & Medical Design Platform)。約4年にわたる活動を通して着実に広がった、健康・医療とデザイン、企業など、さまざまな異業種間での交流の場を、イノベーションを起こす着火点にすべく生まれたのがMDAなのです。
MDAの特徴は、単に応募を待つのではなく、各種イベントを開催し参加者に「体験」を提供することで、医療・介護現場の課題解決につながる応募を促進する「体験型コンテスト」であること。今回のスタートアップカフェも、課題テーマの補足説明ののちにワークショップを催し、まさに「体験」して課題解決のヒントを持ち帰っていただくイベントとなりました。このページの先頭へ

「幸せになれる医療」を目指すアワード、いよいよスタート!

スタートを切るのは、MDAのサブタイトル「”幸せになれる医療” For Medical Care that Warms the Heart」を象徴するオープニングムービーと、本アワードのベースとなるLMDPを主催してきた、MDA運営事務局長である株式会社メディシンク 八村大輔氏によるイベント開会の挨拶です。温かみのあるハートのロゴを背景に、これまでの経緯やアワードに対する思いが熱く語られる中、場内でも開催への期待が高まります。

続いて、MDA実行委員長・飯島ツトム氏からのアワード開催宣言。超高齢化社会の中で多くの問題を抱える現代社会では、形にならないもの・見えないものまでも表現する「デザイン」の力が必要とされています。医療・健康とデザインのつながりが幸福な社会を作り出す第一歩になる。その可能性を探るためにも、今回のMDAが社会的試みとして重要な意味を持つことが再認識される挨拶でした。

こうして開催の目的などをいま一度会場全体で共有し、いざ、医療・介護に特化した体験型コンテスト「メディカル・デザイン・アワード2010」の本格的な開幕となります。
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2010年度プログラム 3つのカテゴリーとは

記念すべき第一回目となる今年度の課題テーマは6部門(カフェ当日の時点)、各協賛社様からそれぞれ補足説明が行われました。
※ご注意※
各課題の方向性をご理解いただきやすいよう、12月3日にこれら6部門を3つのカテゴリーに区分けいたしました。各カテゴリーの詳細説明はこちらをご覧ください。

▼課題解決デザインカテゴリー
・入院生活部門 (株式会社柴橋商会)
・情報部門 (株式会社メディアコンテンツファクトリー)
・介護部門 (65+[ローゴプラス])
▼現場アイデアカテゴリー
・在宅医療部門 (株式会社ジェイ・エム・エス)
・輸液ライン部門 (※発表なし)
▼未来デザインカテゴリー
・移動部門 (セグウェイジャパン株式会社)
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『課題解決デザインカテゴリー』は入院・外来・介護に関わる3部門

入院生活部門「より快適な療養生活のための衣類とサービス」

株式会社柴橋商会 二見氏より現在の病衣や入院時のサービスについて説明。病院ならではの制約が多々あることを前提として、いかに患者さんのQ.O.L.を維持向上できるかが重要なポイントになる、と示唆されました。
★詳細はスペシャルコンテンツにて→入院環境を快適にサポートするサービスとは
★当日発表資料 ダウンロード

情報部門「医療における理想的な情報発信について」

続いては、株式会社メディアコンテンツファクトリー田沢氏からの発表です。外来などで誰もが経験する待ち時間を効果的に活用し、患者さんと医療機関双方にとって理想とされる情報の扱い方について、事例も含めた紹介がなされました。
★スペシャルコンテンツ→医療における理想的な情報発信について
★当日発表資料 ダウンロード

介護部門「病院から介護施設へのスムーズな移行」

65+[ローゴプラス]南雲氏からは、まず現在ある高齢者施設について説明。医療から介護へ、介護から医療へ移行するのは一人の人であることを考えるとスムースな連携が必須でありながら、現状多くの課題が山積みであることが明確化されました。
★スペシャルコンテンツ→現在の高齢者施設の種類と特徴
★当日発表資料 ダウンロード

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アイデアそのものが応募につながる『現場アイデアカテゴリー』

在宅医療部門「より安全で快適な在宅医療に必要となる製品のアイデア・使い方の工夫」

次は医療や介護の現場に直面する方々からのアイデアが重要となる「現場アイデアカテゴリー」。株式会社ジェイ・エム・エス 吉本氏より、今後の高齢者医療の主流となるであろう在宅医療で、現場ならではのアイデアの必要性が語られました。
★スペシャルコンテンツ→在宅医療が安全で快適であるための現場アイデア
★当日発表資料 ダウンロード

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イノベーティブな発想が鍵『未来デザインカテゴリー』

移動部門「医療・介護現場を救う革新的な移動活用アイデア」

未来デザインカテゴリーは、現段階ではまだ活用されていない革新的なツールとして、セグウェイが登場。セグウェイジャパン株式会社 大塚氏からセグウェイの特徴や利点などを詳しく説明頂きました。また、残念ながら当選者だけではありましたが、試乗できる貴重な機会も頂き、乗るとなぜか笑顔になる「セグウェイ・スマイル」が多く見受けられました。

★スペシャルコンテンツ→医療・介護施設におけるセグウェイの可能性とは?
★本部門の当日発表資料は諸事情により公開できません。何卒ご了承ください。

※なお、今回は後援団体であるITヘルスケア学会 水島洋氏(東京医科歯科大学)からもご講演頂きました。こちらも諸事情により資料は公開できません。何卒ご了承ください。
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ワークショップ前の講演で課題の「ヒント」を探る

カフェ後半のワークショップを前に、MDA副実行委員長である株式会社メディシンク 阿久津靖子氏による講演です。今回の課題に対する解決策のヒントにつながる、医療デザインと各課題テーマに関連する問題提起がなされました。数値グラフから往診のかばんの中身まで、さまざまなデータが表示されるにつれ、次第に医療・介護環境のイメージが具体的になっていきます。

講演後、阿久津氏からのコメント

今回のアワードは、医療・介護の課題を「デザイン」という一つの方法で解決する糸口を探すことを目的に行われます。医療・介護とデザイン、と言ってもすぐにピンとくる方は少ないのではないでしょうか?医療や介護は専門性の壁が高く、デザイナーや一般企業にとって参加しづらい領域です。しかしながら、超高齢化社会を迎えている現代社会において、医療・介護の現場にはデザインで解決することが出来る課題が多くあると考えられます。
しかし実際のところ、今回のワークショップに参加される方55名のうち、デザイナーの方は21名おられますが、その中で医療・介護領域でのデザインの経験がある方は5名にも満たないようです。もっとデザイナーの方々が医療・介護領域と接点を持ちやすくするための場づくり、それがMDA並びにこれからのワークショップの存在意義だと思います。

本日のワークショップは各企業から出されたテーマごとにグループをつくり、事務局にてメンバー分けをいたしました。各グループには、医療従事者の方に必ずお入り頂き、お申し込み時の業種からわかる範囲にてメンバーを選出しております。
ワークショップの目的は参加される立場によって大きく二つに分かれます。
医療従事者にとっては、「デザイナー的思考」で発想することで、現在直面している医療や介護の課題が解決する可能性があることに気づいていただくこと。デザイナーにとっては、実際の「医療・介護の現場」からの声を聞くことで、現場での本当のデザインニーズを把握してもらうことでした。

ここで、医療デザインを行うにあたって、難点とも言えるポイントがいくつかあることをぜひ知って頂きたいと思います。
1.デザインのユーザーが 「患者さん」と「医療従事者」という2方向であり、求められるものがそれぞれ異なること。
2.ひとえに医療従事者と言っても、その職種によって同じ道具に対して求められるオペレーションが異なること。
(例)電子カルテ 医師にとっては診療録ですが、看護師にとっては患者さんの治療オーダーの確認をするためのツールであり、患者さんの記録そのもの、また、医事課にとってはレセプト計算の対象となります。
3.医療デザインにもっとも求められるのは、安全性と機能性であること。
4.日本では医療保険制度のもと、医療点数制度が加算されること。また、薬事法など法的な規制を受ける場合もあること。
5.標準的な医療が求められる一方で、ひとり一人の合わせたオーダーメイドの部分を求められること。看護師の間では、看護はアートでありサイエンスであるといわれる程、医療そのものが多種多様で人間の感覚値に頼るところが多くみられること。

以上のような医療デザインの特性を踏まえて頂いた上で、デザインだからこそできる提案をして頂けることを期待しております。

★講演資料のダウンロードはこちら→準備中(近日公開予定)
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ワークショップ開始!数多くの化学反応が生まれた意見交換の場

今回のワークショップでは以下の6グループに分かれて話し合いを行って頂き、講演の演者・阿久津氏がファシリテーターとなって各グループをまわりました。
A 医療・介護施設におけるセグウェイの可能性
B 入院セットの新しいパジャマの提案
C 入院生活におけるサービスデザイン
D 在宅医療における製品アイデア
E 病院から介護へのスムーズな移行
F 医療機関での来院者のための映像コンテンツ


チャンピオンと称した代表者によって、問題状況→ターゲットゴール→原因分析→対策→実行→フォローアップの順に話し合いを進めていきました。6グループすべてが予定時間を延長するほどの白熱した話し合いが展開され、「そういう声を初めて聞いた」「いままでこうだと思っていた」という声が各所から上がっていました。

想像するのと実際は違う、とよく言われるとおり、医療従事者の方が各グループにおられたことで、本当の意味で現場の課題解決につながるための意見交換がなされました。異なる価値観をもつ人たちが同じテーマの課題解決を行うことが、まさに化学反応のように多くのひらめきを生み出す状況を体感できる、そんな空気が場内に充満していました。
そして、あっという間に時間が過ぎワークショップも終了!最初に決めたチャンピオンによって、各課題の解決策がいくつか発表されました。
各グループから集まったアイデアの種が書き込まれた付箋がずらり!短時間でこれだけの発表が生まれたのは、ワークショップだからこその結果なのかもしれません。すぐにでも応募できるのでは?と言える内容も多々ありましたため、非常に残念ではありますが、このレポートで詳細をご報告することは差し控えさせて頂きます(何卒ご了承ください!)。

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副委員長 手取屋氏からの挨拶をもって盛況のうちに閉会!

閉会の時間が近づき、MDA副実行委員長である昭和大学医学部心臓血管外科 主任教授の手取屋氏が登場!手術のためワークショップに参加できなかった手取屋氏から見ても、その熱気が伝わる会場を前に、実際の医療の現場で課題の解決策を考え続けてきた医師だからこそ、MDAを感慨深く捉えておられたご様子でした。また、現場へのフィードバックの重要性も改めて認識されたことと思います。

こうして、スタートアップカフェは大盛況のうちに終了できました。帰途につかれる参加者全員の頭の中には、「医療・介護環境をよくするデザインとは何か」が渦巻いていたことでしょう。ワークショップを通して現場の生の声を聞き、意見交換をさらにブラッシュさせていくという「体験」が、ただ文章を読むだけでは伝わりづらい、発想の種を届けてくれたのではないでしょうか。
医療・介護の現場にフィードバックされる課題解決につながるよう、今後もMDAを通して体験の場を提供すること。その意義が明確化され、体験型コンテストのスタートにふさわしいイベントとなりました。
メディカル・デザイン・アワードはここから始まり、みなさまのアイデアをもって大きく飛躍いたします。今後のイベントや作品のご応募まで、積極的なご参加を心よりお待ちしております。このページの先頭へ

編集後記:運営事務局より

事務局スタッフ全員、ワークショップでの結果を壁に貼りながら、イベントの手ごたえを味わっておりました。百聞は一見にしかず、一見はさらに一回の体験に及ばずであることを、スタッフ全員で体感できました。
このイベントに残念ながらご参加頂けなかった皆様には、ぜひ次の機会に、素晴らしい体験をして頂きたいと思っております。
今後のイベンはもこのサイトでお知らせしてまいります。最新情報は本サイトやtwitter、メールマガジン(ご登録はこちら)やにてご確認ください。

※※※ アンケートのご協力をお願いいたします※※※
当日アンケートをご記入頂くお時間がなかった皆様、下記URLのウェブフォームからもご回答いただけますので、ぜひ感想をお聞かせください。よろしくお願い申し上げます。
アンケート回答フォームはこちら
2010.12.3 update 文責:國枝加誉/MediThink

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