【イベントレポート】2011.2.19.Sat看護現場をデザインで考えるワークショップ
2月19日に開催されたこのワークショップには、約70名もの参加者が集い、看護とデザインという普段なかなか接点のない2つの分野が交流できる貴重な機会となりました。
第一部では、在宅医療の第一人者・高瀬医師と、日本インダストリアルデザイナー協会・浅香理事、そしての飯島MDA実行委員長との対談が行われました。
第一部詳細はこちら トークライブ「医療の現場でのデザインが出来ることは何か?」
ワークショップ開始!白熱した議論が展開されました
ワークショップ前に、看護管理学会でも公開された大阪・北野病院を見学した映像が流され、デザイナーが医療従事者とは異なる目線で現場の課題解決方法を探っていく様子を紹介。
続いて、元看護師でナースファシリテーターの浦山絵里さんへのインタビュー映像。今回のアワードに出されているテーマに沿って、看護師としての「現場の声」を具体的に挙げて頂きました。
その後各グループに医療従事者の方に必ず1人は加わっていただけるようチーム分けを行い、いざ、ディスカッション開始です。普段あまり聞く機会のない医療現場の生の声が、次々と議論の場に出され、デザイナーはそれを聞き取って絵や文章に起こしていく。異なる分野が交流し合い、目に見えない問題や意識を可視化するプロセスは、まさに化学反応のようでした。
「ここでしかできない」ディスカッションの結果とは・・・?
限られた時間の中で、医療側からは「そんな方法があったんだ」、デザイナー側からは「実際の現場ではそんなことがあるんだ」という、それぞれの驚きと発見が交わり、活気ある議論が展開されました。会場からは感嘆の声が連続してあがるほど、各グループから非常に有意義な課題解決のアイデアを順次発表。このようなイベントでなければ、短時間でここまでのアイデアにはつながらなかったのではないでしょうか。
イベント終了間際には、本アワードの後援団体でもある東京都看護協会・嶋森先生が駆けつけてくださいました。会場の熱気に「こんなに盛り上がっているなんて驚きました」と嶋森先生。看護とデザインの接点から生まれる「何か」が、これまでなかなか解決できなかった現場の課題に風穴を開けてくれるのでは、との期待を寄せておられました。
普段あまり接点のない二分野でも、このような場さえあれば活発な議論やアイデアが飛び交う。その「体験」をされた参加者全員が、「これからもっと何かができるんじゃないか」という期待を持ってくださったようです。イベント終了後も多くの方が会場に残り、延々と会話を続けておられる様子がとても印象的でした。
看護・医療現場にデザインという新しい視点が入ることで、患者さんが幸せになれるより良い医療につながり、やがて医療への貢献という幸せが医療従事者・デザイナーにも循環していきます。今回のイベントを通して、良き化学反応がアワード応募を促進することを確信するとともに、MDA事務局一同、今後もこのような場を設けていきたいと実感いたしました。