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【イベントレポート】2011.1.24.Mon.江戸川病院見学会

自分が病気になったり誰かのお見舞いで訪問したりと、私たちが病院に滞在する時間は人それぞれ、また訪れる病院の様子も地域や診療内容によって大きく異なります。
今回はデザイナー数名とMDA事務局スタッフで、江戸川区・小岩にある社会福祉法人 仁生会・江戸川病院を訪問。経理課の篠田さんに、外来から入院病棟、健診施設など、個性あふれるユニークな院内をご案内いただきました。
江戸川病院 概要はこちら

江戸川病院では、副院長のアイデアにより、患者さんに医師や治療を親しみ感じてもらえるような工夫が、ここかしこに見受けられました。独自の大判が印刷できる機械を所有するなど、積極的にデザインに力を注いでおられ、まるで雑誌の表紙のような先生方のポスターがかかっていたり、実際に病院の内外で様々な掲示物が目立っていました。

まず外来病棟を見学しましたが、「あれ、何だろう?」と思って近づいた宝探し地図は、なんと院内の案内図。透析センターの看板も血液をイメージした一目でわかりやすいデザインでした。

篠田さんによると、「人工関節センター」にはデザイナーが関わっており、ここのデザインを参考に副院長が独学で他の部屋や廊下などそれぞれの個性に合わせてコーディネートされしています。実際、診療科や病棟の種類(一般病棟・療養病棟など)によって患者さんの層は様々であるため、求められるデザインも大きく異なります。これまで長く、たくさんの患者さんを支えて来た地域病院であるからこそ、患者さんに合わせての工夫をした内装が院内で展開されているのだと思いました。

次に入院病棟へと移動、まずは個室を見学しました。落ち着いた色目の家具が揃い、また、照明は直接目に入らないような工夫がされています。トイレや部屋の幅などを見ながら、デザイナーの皆さんも色々考えている様子。実際に入院したら、患者さんはどのように動くのか、どんな治療をするのかによって、それによって病室に必要な家具やその配置は変わってきます。

さらに、複数の患者さんが同じ部屋に入院する多床室へ。壁が木目になっていてとても柔らかい印象です。よく見ると、壁紙や間仕切りカーテンは部屋ごとに違っています。病院のルール上カーテンは一部防炎である必要がありますが、防炎でなくても良い場合、カーテンは全部特注なのだそう。入院患者さんにとっては、「この壁が自分の部屋」と覚えやすそうですね。

また、共用部分にも様々な工夫が多数見られました。自動販売機は街中にある外観と違って、病院独自の緑のイラストシールが貼られ、その上に動物のぬいぐるみが置かれているものも。渡り廊下には椅子や本がたくさん置いてあり、休憩しやすい空間になっています。さらに、待合室には電子看板(デジタルサイネージ)があり、医療情報などが見やすく発信されているほか、外来吹き抜けには滝の中庭も配置されています。

続いて、外来化学療法センターへ。がんの化学療法を入院せずに外来で実施できるため、患者さんの日常生活や生活の質(QOL:Quality of life)を維持しやすくなります。患者さんによっては1〜6時間滞在されるため、長時間横になっても疲れにくいリクライニングチェアがあり、外から見えないようロールスクリーンをおろしてプライバシーを保護できるようになっています。

最後に案内いただいたのは健診センター マックスライフです。待合室にはホテルのロビーにあるような椅子が並んでいます。また、ロッカールームは男性は黒色、女性は赤色をベースに遊園地のアトラクションのような内装、若い方が面白いと楽しんで来院してもらえそうですね。

また、病院の外壁には壁面緑化が施されており、緑を見上げて「これはなんて言う植物だろう」と話しながら歩く方を何人も見かけました。
江戸川病院の個性豊かな内装・掲示物を見ていると、病院に来たという感覚が薄れていたことに気づきました。よく考えてみると、私たちの日常生活には娯楽もたくさんあります。病院だから特別な場所、ではなく、病院も日常空間であると考えて色々な試みがなされていくことは、非常に意味のあることではないかと思います。病院の個性は、患者さんを笑顔にしてくれる大切な要素のひとつかもしれません。江戸川病院の皆様、どうもありがとうございました。

社会福祉法人 仁生会・江戸川病院

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